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硝子修正器購入記2



返送後の修正と測定

いかに慎重に測定しましたと言ってもメーカーが信用するとは思えないし、明確な根拠もない。
逆にメーカーが機材の信用度はともかく、修正器そのものではなく手で修正した物を測定するというのであれば、修正器の誤差をある程度の信用度を持って測定できたかは疑問である。

私でもある程度は確かめながらであれば、この修正器を使ってある程度の誤差以内に修正はできると思う。
まずはその辺りも含めてテスト方法を考えてみた。

まず幅が72oという修正器であるが、普通は75o前後の砥石が多く、砥石がはみ出してしまう。
ぎりぎりであっても機械のように正確な前後ストロークは出来ないのでまずはみ出すだろう。

そこで手持ちの砥石を探してみた所、K社のホーム用の両面砥石が見つかった。これは61oと幅が狭く両側に5oずつの余裕がある。長さも183oで全然余裕がある。

通常縦方向のストロークは当然として幅方向の狂いを防ぐ為に、斜めにはみ出してストロークしたりするが、この砥石を修正砥石の面から全くはみ出さないでストロークしようというのである。



これにより何が分かるのか。

仮にストロークの際に左右に力のバランスがぶれてしまったとしても、修正器が幅方向に対して中高でない限り、修正される側の砥石は幅方向では出っ張る事はあっても凹む事は不可能という事がいえるのではないかという事である。

裏を返せばこれで幅方向に砥石の真ん中が凹んだら、普通の状態で考えれば修正器が出っ張っているという答えしか導きだせないと思うのである。



まず濡れると持ち上がるという事であるが、メーカーの検査の際は同社製の『刃の黒幕』を使用したと、聞いている。
恐らくシャプトン社の『刃の黒幕』とそれに類する製造法の物での事だと思われるが、濡れた状態で研ぎ濡れた状態で修正する砥石に誤差的にどのような意味を持つのか分かりかねている。

念の為に半年以上使用せず乾燥しきっている砥石を濡らさず修正して、粉をよく払い空拭きして幅方向の精度を見ると良いようだ。丈方向には濡らさないので摩擦抵抗が大きくなり若干だが中高になったようであるが、今回は丈方向の修正に関してはメーカーに対し指摘するほどの不満もなく、それなりに満足しているので私としては関係ない。


シャプトンのサイトに良い事が書いてある。
鉛筆で格子状の線を描き確認しながらやると良いらしい。



上のような材料で2.5oから3o程度の前後ストロークで、前後左右に砥石が修正器から絶対にはみ出さずにストロークを続ける。
目詰まりによる誤差が懸念されるので、さすがに流水をかけながらやっています。

中研ぎ用のレンガ色の砥石は吸水が激しいので、仕上げ用のあまり吸水しない面でのテストです。





何だか真ん中から卵型にへってきました。丈方向に中高だったせいで前後まで誤解をあたえるような画像になりましたが、幅方向に真ん中が減って両端の方が残っているのが分かります。

これを鉛筆が消えるまで減らして幅方向にストレートエッジを当てると、やはり凹んでいるようです。
しかも修正器の幅より1pほど更に幅が少なくなったというのに・・・。




2回目
今度は既に砥石が一旦濡れちゃいましたので、一旦10分以上浸け込み流水をかけながら特に幅方向については完璧に近く光が漏れないように修正してまたテストです。

ページの冒頭でも書きましたが、はみ出さずにストロークする以上は、修正器の幅に対して中高の場合を除き、砥石の方は幅に対して平坦・中高になる事はあっても凹む事はないと考えます。

これは修正器が幅に対して中高の場合、砥石側の凹みはマシになる事はあっても、ひどくなる事はないという事だと思います。


下の画像は流水をかけながら砥面を修正した物に先程のように格子模様を書きました。
軽く雑巾で拭いたら直ぐに乾きだしますので、吸水は少なく浅いのだと思われます。





砥石が幅方向に凹む結果が出た場合、修正器の狂い以上にはひどくならないと思われますが、念のため手癖の影響は少なくなるように考慮して行おうと思います。

で思いついたのは下の画像のような方法。
大きい荒砥石を幅と丈の両方向の中心付近に重りとして乗せ、下側のテスト用の砥石の小口を前後から指を一本ずつで交互に押し絶対に修正器から砥石がはみ出さないようにストロークする。

ストローク幅は先程と同じぐらいですが、仮に3センチとはいっても往復の振り幅が3pという事で、下の画像の位置から前後1.5pずつぐらいまでの振り幅という事です。

また左右5ミリずつぐらいの余裕しかありませんが、このストローク幅で動かす程度なら、はみ出さないようにする事はそれ程難しい事ではありません。




では始めてみましょう。



10往復ほどスライドしたら画像の上の方と砥石の中央付近が一部鉛筆が消え始めたようです。




なんだか・・・。


どのように消えていく予想できそうですが・・・。


やっぱり・・・


そして全部・・・。

何がいいたいのかは・・・お察しください・・・。

こうして全部鉛筆が消えるまではみ出さないように行い、ストレートエッジをあてます。
やはり同じように真ん中から光が漏れます。



普段砥石用に使っているストレートエッジも磨耗していないとはいいきれないので、後から購入して最近になって鉋用におろして、ほぼ新品に近い状態を維持している同類のストレートエッジでも、同じような結果である。しかも新しい方は更に観察しやすく刃先の部分が更に薄く半分程の厚みにできている。


ストレートエッジ二枚並べて刃先側からの画像。

メーカーの説明では5ミクロン以下ならOK。という事であるが、5ミクロン程度の隙間は肉眼でも確認可能だろうか?

『削ろう会』のような鉋のうす削りの大会なら、削り華の端で5ミクロンの厚みなら、中央は10ミクロン以上の厚みという誤差である。
以上というのは理屈上は削り面に鉋の切れ刃がべったりと付くのではなく、逃げ角分は斜めになるからで、その分より少し誤差が大きくでるという計算からであるが・・・。

一説によるとサランラップの厚みが10ミクロンぐらいらしい。今回のテストもそうだが、何とも私の遊び心をくすぐってくれるではないか!!




天然砥石の幅方向の光が漏れないのを確認し、サランラップを帯状に切って両端をテープで貼ってみた。
サランラップの名の通り本当に旭化成の商品名『サランラップ』を貼ってみました。

そして光が漏れずに真っ直ぐだった砥石にサランラップの上からストレートエッジをあてがうと、「あれっ!?」結構隙間があって光が漏れまっせ。本当に厚みは10ミクロンか?

この光の漏れ具合は先程のテストでへっこんでいた隙間の光の漏れ具合と近い様に見える。あるいはサランラップの隙間よりも、ほんの少し漏れ具合が大きいかも。

これが本当に10ミクロン程度なら5ミクロンの隙間でも全然見える気がする。
サランラップが10ミクロンといっても、実際は場所により厚みにムラがあると考えた方が良いのかも知れない。




かくして実験結果はこのようになったのであるが、硝子修正器の幅方向の中央が、出っ張っていると決定した訳ではない、可能性として

1.ストレートエッジが二本とも全体に拝むように歪んでいる。
  (しかしこの場合今まで良しとしていた丈方向に不満が出ることになる。)

2.ストレートエッジの当て方や観察の仕方が悪い。

3.濡れた砥石が持ち上がり、観察の為に拭き取ったとたんに真ん中が凹む。

など無理やりも含めれば、まだまだいろいろ可能性はあるだろう。




ちなみにこの実験前の状態が下の画像で、修正面の全体が使用感がでて黒ずんでいるのに対し、外周1pぐらいが摩擦が少なく綺麗なのはどんな理由なのだろうか?
溝などがある事から修正器は何らかの理屈でこの様に使用感の差が出る特性があるのだろうか?






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