キングハイパー#1000(標準型)


公表値 205(長さ)×70(幅)×34(厚み)
実寸   207(長さ)×69(幅)×34(厚み)



硬さ:38   下り:35   研ぎ感の軽さ:33




キングデラックスと同様にしっかりと水に浸け込んで充分に吸水させてから使用するタイプのようで、標準型と軟質型があるようで、こちらは標準型です。

パッケージはこのような茶色の箱で、側面にはどういう訳かベスター#1000のパッケージと同じ人が描いたと思われる刃物の挿絵と文字で用途が印刷されている。

箱書きの用途については『かんな、のみ、電気かんな刃、かま、ハサミ、打刃物、ステンレス刃物、料理包丁、ナイフ、彫刻等、その他精密刃物。』とあり、ほぼ万能という事であろうと思われる。

中砥石としては発売元の『松永トイシ株式会社』さんのホームページを見る限り、最高級品の位置付けとなっている。

説明書きには2分間ほど水の中に漬け、砥石に十分に水を含ませてから研ぎ始めて下さいとある。
キングデラックスと比較するとかなり漬け込む時間が短い気がしますが、実際に新品の状態から漬けてみると10分前後は砥石から気泡が出ていました。
実際に使用して表面が一皮剥けると水が浸透しやすくなるという事なのかもしれない。

この砥石もおそらく硬さのムラがあるのではないかと、いつものごとく何枚か見比べた中から、硬そうな物を選んできたつもりである。
以前に人のを研がせてもらった時よりも、かなりしっかり感を感じるがよほど硬めの物を選べたのか、もしくは自己催眠か・・・?

前に研がせてもらった時は、硬さは30〜35ぐらいのイメージに感じました。

下りは『刃の黒幕』ほどではないですがかなり良好で、研ぎあがりは#1000としては細かく粒度が良く揃っている印象である。

研ぎ感はさすがにキングらしい軽快な上手い味付けで研いでいて気持ちがいい。
バランスの良さはさすがである。


上で書いたように最高級品の位置付けというだけあって、実勢価格はキングデラックスの3倍前後はするので、#1000の砥石としては結構な価格帯である。

他社と違い厚みはあるが幅はやや狭く、キングデラックスと比べると下りは格段に向上している。
下りが良いという事はたとえ同じ硬さであっても同じだけ刃物を研ぎ減らした場合、砥石の減りは少ない訳で、そこに価格差相当の値打ちが見いだせるかが選択のポイントになってくる。

もし仕事ということであれば、研ぎ時間が減るという事は手間賃で考えるとかなりお得という事になる。
がしかし、研ぐという行為が仕事に入るか否か?道具は仕事以外の時間や休憩中に研ぐものだとすると、この理屈は…個人の判断にお任せします。


直接メーカーさんに確認はとっていないのですが人伝に聞いた話だと、成分的に研磨剤WA(ホワイトアランダム)の含有量が非常に高く、また炉で焼く前の型に入れた時は、粘土状などの固形的な感じではなく水に近い状態なのだとか…。


キングデラックスがお気に入りの方でセラミック砥石をお考えの場合は、違和感も少なく早く研げるのでお勧めです。



刃物を研いだ時の研ぎ汁の画像


本日、同じくキングハイパーをお使いになっている知人のR氏にも、試しに私の物と研ぎ比べしてもらいましが、実際に研ぎ比べてみると明らかに違いがあり、どうやら同じ標準型でも硬さの個体差は存在するようです。

水に浸けた際に説明書きに対し気泡が比較的長い時間出ていたのは、この事が関係あるのかどうか・・・現段階では確認できておりません。




あらまっ!
キングハイパーにしては思いのほか硬さのある砥石だが、裏側もキッチリと座り良くする為に平面出しをしていたところ、おやおやっ?!
裏側に側面にほぼ平行して縦に亀裂が走っています。

想定よりも硬くなりすぎて収縮しすぎたのだろうか?

こうなると通常は製品としてはB級品である。
販売店もメーカーもまず普通に返品・交換に応じてくれると思われる。

しかし個人的には、あえて交換などせずこのまま使い続けようと思う。

基本は硬くない石ですので、それが硬くなったからといって扱いにくい硬さという所までは硬くはありません。
このぐらいの硬さの方が、個人的には扱いやすく感じるし、同じ砥石でこのぐらいの硬度の石にまた巡り会えるのかいう思いもありまして・・・。

もし硬質型なんてのがあると、このように亀裂などが入るリスクがメーカーにはあったりするのかもしれませんね。