サンヨー#4000(三養商会)


新品時 211(長さ)×75(幅)×23(厚み)


メーターの緑色が硬い方の砥石の数値。
黄色が少し甘い方。

サンプル数が少ないのではっきりとは分かりませんが記事にしたこの砥石は通常より数段硬く特殊で、実際の製品の平均的な硬さはずっと軟らかいと思われる。


硬さ:45   下り:32   研ぎ感の軽さ:35
硬さ:43   下り:37   研ぎ感の軽さ:32




マグネシア製法の砥石である。
他のマグネシア製法の砥石同様に水に浸けっぱなしにすると変質すると思われる。
水をかけて使うのみで、浸ける必要は特にないように思われる。

マグネシア製法の同様の砥石は#4000の他にほぼ白色の#6000、青味のあるグレーという感じの#1000がある。

箱やラベルはこんな感じで砥石に馬のラベルや箱にサンヨー砥石シールが貼ってありますが、在庫切れの為に別ルートで少数仕入れたのがこのラベルで、メーカーからのルートだとこのようなシール類は無く赤箱にセロファンだけのようでした。
しかし最近はまた別の箱で納品されているようで、結局はこの種類も数種類はあるようで、正式な箱という物があるのかないのか販売店もよく分からないみたいです。


どこかの問屋向けのパッケージが下の画像の物という事かも知れない。

お店で実際に試し研ぎした物と購入したものは随分と硬さや使用感が異なっていて、購入したものはかなり硬い印象。

お店の物はもっと柔らかくネットリと砥石への吸い付きが強かったので、切れ刃の面と砥面を合わせるような研ぎ方では研ぎ難さも感じていたが、購入した硬い砥石は数段硬くなるだけで性質的に同じ砥石の延長線上というよりは、全く別物の砥石?といった感触で、影響があるような吸いつき感は無くなり、非常に滑らかで硬い質の良い巣板を思わせるような研ぎ心地で、下りも優秀である。

恐らくお店にあるぐらいの硬さの物が標準的硬さなのではないかと思われる。
よく分からなかったので、さらに追加購入してみた物が二つあるうちの下の数値。
最初の物よりもやや軟らかくなったがまだお店の物よりも随分と硬い。
最初のは砥面を直す事を考えると硬すぎて大変だったので、二枚目の方が普段使いには扱いやすい。
研ぎ心地は若干最初のよりは吸いつくのかな?という程度で、扱い難さは無い。

違いとしては上の画像の様に裏側と側面が粉を噴いたように随分と白かったが、後に仕入れされた物を見るとそんな事は無かったので、この白い粉を噴いたような物が多少硬さと関係しているのかもしれない。

最初のが研ぎ心地が良かったので二枚目も在庫の中からより白いのを購入しました。
しかしそこまで白いのは在庫をサンプルにしてみると全体の1〜2割ぐらいしかないかもしれない。

但しあまり硬いと使い心地は良いのですが、多少問題がある可能性があります。

左が最初に購入した特に硬い砥石で右が次に購入した最初の物より少し軟らかめの砥石。
クリックして大きい画像で見てもらえると少し分かりやすいと思いますが、左の方は硬すぎて亀甲状にヒビが入り、右の方は亀甲状まではいきませんが、5oから10o程度の短いヒビが入っています。

右の方は大したことはありませんが、左の方は裏までヒビが廻っていたりするので、薄くなってくるとどうなるか分かりません。
研ぎ心地はこっちの方が最高なんですけど。

どちらも一度1・2度研いでこの状態です。
濡らしたからではなく、もとから目に見えない亀裂があって、研いだ鉄粉が隙間に入り込んで認識出来るようになっただけかもしれません。

どちらも恐らくメーカーの想定より硬過ぎる為に亀裂があって、想定した通りの製品はこういう事にはならないのではないかと思います。

ですので今回の評価の数値は標準の製品より随分硬い物の評価という事になっていると思います。


尚、裏や側面が白いものに関してはメーカーに確認を取っていませんが、型に流し込む際のムラでセメントの様に硬化する成分の比率が多すぎて表面に出てきた物ではないかと考え、それで硬くなったのではないかという予想です。

セメントでもセメントの比率が高すぎると収縮が大きく割れやすいですし、少なすぎると軟らかいのでつじつまとしてはあっているぅ???


普通は#4000では大工道具の仕上げとしては荒いですが、試していませんし刃の裏も同様にこの砥石で押すのかは分かりませんが、この砥石を最終仕上げとして使用しても充分な仕上がりを得られるという話もあるようです。



刃物を研いだ時の研ぎ汁の画像(硬い方)

僕の持っているのは硬い部類の物なので、吸いつきはそれほどありませんし直ぐに形崩れする事もありません。
下りも優秀なので普段は剛研玄人#1000やキングハイパーといったような粒度に対して比較的傷の浅い中砥の後にこの砥石でサササッとそれほど時間をかけずに研いで、その後に仕上げ砥石という流れが多いです。

所々砥石の表面に黒く点々が残っていますが、今の所は刃が毀れたり刃に傷が入るなどの有害な影響はありません。
どちらかというと穴に鉄粉が入り込んで黒くなっているのかもしれません。

また裏出し後、裏押しの際にも最後に仕上げ砥石に乗せる前には、硬崩れし難い事もあってこの砥石を深い傷の除去という意味で使用しています。