ニューケント #1000 (田中砥石工業所)


新品時 200(長さ)×75(幅)×30(厚み)



硬さ:41   下り:32   研ぎ感の軽さ:25




以前から紹介していた硬口ではなく、こちらが基本となる普通口のタイプである。

しっかりと水に浸け込んで充分に吸水させてから使用するタイプ。

高温で炉で焼いて製造されるタイプで焼き加減で個体ごとに硬さに差があるかも。

変質は少なそうなので保管にもそれほど気を使う必要はなさそうである。

新品時は少し水の保水能力が不足気味で途中で水が枯れやすい状態が顕著でしたが、最近は特に不満は感じなくなった。

結構以前から持っているので忘れてしまいましたが、六面全部を一度電着ダイヤで一皮削ったかもしれない。

これはニューケントの普通口を実際に使用した方からのアドバイスで、このようにすると水枯れがマシになった気がするという事から、僕もそうしたかもしれない。

こうする事に特に裏付けがある訳ではないですが、表面付近の熱による目詰まりが抜けるのか、はたまた熱とは関係なく製造段階での目詰まりが抜けるのか、それとも別の要因か分かりませんね。
僕もそうして当時少しマシになったような気がするのですが、現実ににそれを行った記憶なのかは自信がありません。

↓小鉋を研いだ研いだ刃先の画像(画像クリックで拡大)

#1000の粒度の研ぎ傷としては、それなりで特別深すぎる事もなく、かといって粒度の割に研ぎ傷が浅いという事も感じ取る事は出来ない。

しかし硬さと下りのバランスはなかなか絶妙で、下りも良く硬さ的には泥は無理なく出るが、その割に砥面のしっかり感や存在感もあるので、研いでいる最中の刃の形状とどの部分が砥石に当たっているのかなどは把握しやすい。

研ぎ感も若干重さを感じるが、泥が割と直ぐに出るのでさほど研ぎに影響が出るほどではない。

毀れるほどではないにしろ、ある程度酷使してガッツリ研ぐ必要のある刃物の形状をそれなりに維持したまま研ぎたい時や、真っ直ぐに矯正したい時には、それなりに有効かもしれない。

但しあくまで#1000としては粒度なりの傷の深さなので、キング系などの比較的傷が浅い砥石のようにはいかないので、#1000で刃先の荒れてしまうと感じるような繊細な刃物や刃付けには、形状補正の砥石として使い、粒度の近いやや細かめの#の番手と短時間だけリレーする必要が出てくるかもしれない。




刃物を研いだ時の研ぎ汁の画像

適度な泥と強めの下り具合。一般的な人造砥石よりは普通口の砥石としては硬め。