神前 戸前(極軟)


測定時 218(長さ)×75(幅)×27(厚み)



硬さ:22  細度:43  下り:35  研ぎ感の軽さ:35

曇り系




軟らかい石にはよくある、光沢感の少ない曇る砥石。

板状に層が形成されている天然仕上げ砥ををよく見かけると思いますが、この砥石は芋石と呼ばれる、ゴロンとした状態の石で採掘されるそうで、同じように芋石の青砥の産地でもある事と関係があるのかは分りませんが、殆ど石の目を気にせず裁断できるようです。

戸前をいくつか見ただけで他の層は見た事はありませんが、私が見た物に関しては軟らかい石ばかりでしたが、これはその中でも特に軟らかい物を選んだ物です。

神前の戸前を水をかけながら裁断すると、流れ出た水に油が浮き出してくるほど油分を含んでいますが、この極軟の石の場合は面直しで削ったりしても、どういう訳か特に油分を感じる事はありません。

特に軟らかい石だという事もあり、地金が硬めの物でもなければ地金の研ぎ傷は消しにくいかもしれませんが、鋼部分に関してはきちんと仕上がりました。

ただし、軟らかい石には特にありがちですが、ものすごく吸水します。
1〜2分水に浸けておいたほうが良いのではないかと思うぐらい吸水しますが、ある程度吸うと少しは落ち着きます。

しかし、それなりの精度で平面に刃物をに研ぐ場合には、強烈に吸い付くので研ぎにくいです。
砥石に刃物をくっつけたいというのであれば、この手の石なら楽勝です。

軽くRのついた刃物や蛤刃、或いはさほど精度の必要のない物など、ある程度刃の形に砥石が馴染みやすいので、そのような刃物を研ぐ場合には特に重宝します。



刃物を研いだ時の研ぎ汁の画像

特に軟らかい砥石ですので、鋼の下りる色が確認できず、泥ばかり出るどろどろのどろ石です。
名前は「ドロシーちゃん・・・」なんて、石に名前をつけるような趣味は別にありませんが(しかもダジャレ)研ぐ人を選ばない八方美人?な砥石です。

このサイトのタイトル自体がダジャレですので、たまに変てこな事を書いても大目にみてやってください。