金盤 Part.2
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この金盤は砥取家さんのお客様から砥取家さんを介して御提供いただいた金盤です。 鉄工関係のお仕事をされている方だそうで、使用出来るようならという事で頂きました。 どうもありがとうございました。と言っても影の?マイナーサイトですので、ご覧になられていないと思いますが、改めてこの場で御礼申し上げます。 この手の幅の広い金盤は穂の長い鑿にはいい感じです。 |
相当に重いので、片手で持ち上げて定規をあて光にかざして精度を見るのは結構大変です。幅方向にはほぼ精度良く、丈方向にはほんの少し反りがありました。 販売されている物でも反りがあったりしますので、カット前の長い鋼材の段階で緩やかに反ったのかもしれません。 バフがけ?といって良いのか分かりませんが、円形の研削痕があるので裏押しで引っかかるかもしれません。 反りを修正ついでに少し円形の凹凸も調整します。 |
金盤の調整をしてみました。 |
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まずは『あらと君』で擦ってみましたが、刃物に対しての下りから考えると下りが弱い。 というか砥石の硬さもしっかりめという事もあり、思うように砥汁が出ないようだ。 砥汁が出れば研削力のアップが期待できるが、疲れるのでほどほどで止めました。 |
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次は朝日虎の荒砥で擦りました。 今度はなかなかの相性で、研ぎ汁も出て良いようですが、見た目の派手さに比べ、そうそう下りるもんでもありません。 『あらと君』に比べれば粒度は細かいのでこんなもんでしょう。 しかし両面あるので、のんびりしていては疲れるだけですし・・・。 |
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砥石の基本的原理を利用してスピードアップ? GC#240を砥汁発生器にして、GCの砥汁を研磨剤にして先ほどの荒砥で研削します。 研削している面は丈方向に凹の面で、特に画像では向こう側を特に研削したい感じの凹型です。 |
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先程の荒砥の研削痕は良い感じでしたが、狂いを取るには少しまだ穏やかすぎるようなので、何かないかと思ったら、ありました。 刃研ぎように使っているアイウッドの電着ダイヤ砥石の#300です。 これは平面精度が良かったので使えるはずです。 神様・仏様・ダイヤ様という事で、思いの外よく食いつきます。 下側の画像の金盤上部の白い部分が最も研削したい部分で、ここを重点的に研削してから全体に均してねじれや凹みを取ります。 といっても水気を拭かなければ調べられないので、殆ど勘です。 一通り均してから一度拭きとって定規をあてて確認します。 ダイヤでの作業工程のうちに狂いをとっておきます。 実際はこの肯定から始めれば良かったのです。 スミマセン。 |
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ダイヤの後は朝日虎の荒砥で、ダイヤの研削痕を消しながら平面を崩さないように意識しながら満遍なく擦ります。 その後中砥にバトンタッチですが、硬い中砥を使うので砥汁が出ないでしょうから、GCの鎌砥石を擦って砥汁を出しておきます。 |
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超硬い#1000の中砥で擦ります。 GCのおかげで超硬くてもこんなに下ります。 |
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次にシグマ硬口#2000で擦りました。 ベスター#2000でも良かったのですが、シグマの方がよく平面が出ていたので、今回はシグマをチョイスです。 本来はここで終了!ですが今回は最後に軽く青砥で仕上げました。 |
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とりあえず完成!![]() こちらは裏面 ![]() |
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上は元々凹型で真ん中辺りは少し円形の研削痕が残っていますが、殆ど凹凸を感じない程度の研削痕ですので、ほぼ全面使えます。 下は元々が凸型で中央部が金盤として使えます。 両端はまだ少し円形の研削痕がやや残っている為、使用しないで真ん中のみを裏押しに使用して、真ん中が磨耗した際に、また全体を平面に研削すると、ほぼ全面使えるようになってくると思います。 今回の仕上げに青砥を使ったのは、研削痕の隙間に詰まった鉄粉を落としたかった事と、両面研削で薄錆だらけになった金盤を軟口の青砥の鎌砥石で360度掃除しても違和感がないからです。 薄錆を軟口青砥の鎌砥石で落とし綺麗に洗って、薄く油を引いて防錆紙に包み袋に入れて仕舞いました。 |