一本松 並砥(大上) 黄板


測定時 198(長さ)×72(幅)×33(厚み)



硬さ:35  細度:44  下り:36  研ぎ感の軽さ:30

曇光り:3.5  鏡面系:2




現在も亀岡の丸尾山で天然仕上げ砥石の採掘をされている『砥取家』さんが、昔に採掘されていた一本松という山の砥石。

この山は割とたくさんの砥石が取れたそうですが、以外に他では一本松という名前の石に出くわす事は少ないように思う。

この山の砥石は当時は相当な実力の石が取れたのであろうと、試し研ぎ等をしていて感じる事がよくありますが、採掘が終わっている事もあり傷が少なく直方体という程度の良い石は、もう殆ど無いのかもしれません。
当然、良い物からなくなっていくのですから、仕方のない事ではあります。
良くない物も含めて在庫もどれほどあるのか分りませんが・・・。

その中でこの石は40型よりやや小ぶりながら、ほぼ直方体に近く傷も影響ない綺麗な石で、今となってはかなり貴重な存在?なのかもしれません。

いわゆる黄板といわれる綺麗な石で、少しオボロがかった模様が真ん中辺りに出て、見た目にも好きな砥石です。

このサイトで仕上げ砥石で研いでいる動画はこの石を使用していて、硬い石を使用する事が多い私からすると、やや軟らかめの石ですが、強い下りでありながら仕上げ砥石として充分すぎるぐらいの細かさを持っていて、研ぎ感は砥面の感触も滑らかで上品な印象。

硬い砥石が好きな私ですが、鉋や鑿以外の刃物も含め、本来は良い砥石とはこういう石をいうのかな?と思ったりする石です。



刃物を研いだ時の研ぎ汁の画像

研ぎ汁がすぐに変色するので、上から下へ一度だけ順に研ぎ下りてすぐに撮影した研ぎ汁。