シャプトン 硝子砥石 #1000
(50202)

シャプトンのホームページ


新品時 210(長さ)×70(幅)×10(厚み)研磨層5o



硬さ:40   下り:33   研ぎ感の軽さ:27



硝子砥石総評

この砥石はお借りしている物で、ごく短期的な使用での感想ですので、本人的にも的確なレポートが出来ているのかは微妙です。

約5oの強化硝子に同じく5oの研磨層が張り合わせてあります。

今まで使用した感じからシャプトンの良心的な点は、寸法表示より厚みが少し余分にあるので、購入時に砥面を直してもまだ表示以上にあるように思います。
また、吸水性の砥石と違い水分を拭き取ると定規で平面を確認ができます。

吸水による軟化作用は『刃の黒幕』などと比べるとかなり減少したようである。
しかし仮に、濡れている時に砥面を修正し真っ直ぐにすると、乾燥状態では幅・丈共に中央が凹む。
乾燥状態から水をかけた直後などの中途半端な状態では一気に平面に戻っているのか、中途半端に凹んでいるのかは分かりません。

硝子部分の厚みが5oしかありませんので、市販のバイス式の砥石台などでは切り込みが5oよりも大きく、研磨層が減ってくると途中からは研ぎの際に邪魔になります。

また平面精度の為の強化硝子だと思うのですが、残念ながら個人的には薄すぎる為?の強度不足ではないかという印象です。

研いでいる最中の強度不足による変形は分かりませんが、私の手持ちの三点接地の砥石台では少し真ん中に遊びが出来るのか、この砥石台に乗せたまま砥面を修正すると、丈の真ん中が結構高くなります。もちろん二点接地でも同様の結果になると思います。

これを砥石台から外して平らな所に置いて修正すると真っ直ぐに修正できます。
同社が同シリーズで発売している専用砥石台はしっかりした造りで、三点接地で出来ていますのでそれを使えば大丈夫なのかもしれません。自分で砥石台を製作するなどしても良いでしょう。

いずれにしても個人的な希望としては、良い物は使いたいし良くない物はいらないし、砥石の粒度ごとにも好き嫌いがある場合もあるので、専用の砥石台や硝子盆などの付属品に頼らず、強化硝子まで使用して面精度を謳っている事を思えば、せめて強度は砥石単体で完結してくれる事を願いたい。

またお借りした硝子砥石の他の番手も含め、裏の硝子面にストレートエッジを丈方向にあてがうと、圧着の加減か、わざとそうしているのか分からないが、大体一定の僅かな曲線を示している。
丈方向に両端と真ん中が定規を当てると隙間がある感じである。

考えすぎかも知れないが、丁度この隙間の空く三点に、専用台の場合に寸法的にも上手く接地するという事なのかもしれない。





#1000のコメント
セラミック砥石で炉で焼かずにボンド系の物で硬化させた砥石。
全体に白い砥石でところどころに黒やグレーの点々がある。

実際に研ぐと比較的大きくシャカシャカと音がするが、これは硝子砥石の薄さと素材の加減で砥石自体が研削音を反響している影響もあるのではないかと思う。

研ぎ感はまずまず平均的で『刃の黒幕』よりはほんの少し軽めな感じではある。
『刃の黒幕』も水を含ませれば研ぎ感が若干軽くなるが、こちらは吸水による軟化が少ない所が良い。

またこの砥石も修正直後の目の立っている状態では大変下りる気がしますが、ひと通り砥面全面で研いで砥面を均した後、一旦砥汁を流して研ぎ直して試すと、こちらの方がが硬度が上がったせいか、『刃の黒幕』よりは下りが弱い。

しかし、この製品の下りが悪いという事ではない。

研ぎ上がりは安定した研ぎ傷で、特に部分的に傷が深くなるなどのムラは出にくく安定している。

定価はかなり高めの設定なのは仕方ないですが、実勢価格でも厚さ5oの人造砥石の中砥と考えると個人的には微妙である。


裏側



尚、このお借りした砥石はうっかり落としてしまったらしく、硝子の角がかけてしまようです。
くっ付いていた破片を剥がしてみると、それなりに角はありますが、鋭利な刃のような鋭さはないので、比較的怪我はしにくいようです。

またほんの少しですが粘りがありますが、それ程硬い印象はありませんでした。

硝子と研磨層を貼りつけているボンドは、非常に弾力があるボンドで圧着しているようです。



非常に分かりにくいですが、落とした衝撃で天然砥石でいうところの毛筋のような割れが入りました。
使用には全く影響ないようです。

普通の砥石ではとっくに割れていた事を思うと、強化硝子が役に立ったようです。

私も濡れている状態でこの砥石の側面を指で持って定規で平面精度を確認しようとすると、落としそうになったのでひょっとして同じ事をしていたのかもしれませんね。



刃物を研いだ時の研ぎ汁の画像