ナニワ 超セラミックス砥石 #1000


公表値 210(長さ)×70(幅)×25(厚み)
実寸   210(長さ)×71(幅)×24(厚み)
  



硬さ:41   下り:37   研ぎ感の軽さ:24




この砥石は掲示板でお話しする方で主に包丁を研がれる方がお勧めの砥石で、試しに購入してみました。
あまり大工道具関係の店では見かけない砥石です。

セラミック砥石で炉で焼かずにボンド系の物で硬化させた砥石と思われます。

同社のスーパー砥石#10000と同様の頼りない砥石台に固定されていて、底面の四隅には滑り止めにゴムが張り付けてある。
全体に貧弱で強度が不足しているように感じる上に、貼り付けてある部分は砥石の大きさに合わせ若干掘りこむように凹んでいるので、砥石を台から外したくても外しにくい形状なっており、あいかわらず個人的にはこの砥石台は好きにはなれない。

掘りこんである分を考慮しても今回は厚みが1o足りない。
厚みの1oは他の寸法よりも少し重みが違うと思うが、割合的にはどこかのメーカーのように最初から5oしかない物の1oなら大きいが、24oのうちの1oなので誤差の範囲としておこう。

焼くタイプより縮みは小さく収縮率も安定していて計算しやすいのではないか思うのは、あまりに素人的な考えなのだろうか?

箱書きには以下ののような説明文が書いてあります。
日本剃刀用ならかなり硬いのだろうが、安全剃刀用というのは普通は硬いのだろうか?
その辺は不明だが#1000の粒度らしく刃物全般に万能のようである。

研いだ感じはなかなか硬い感触だが、グリーンの混じった研ぎ汁が意外と発生しやすい。
ややツッパリ感があり重めの研ぎ感がよりこの砥石を硬く感じさせているのかもしれないが、使った後に定規を当ててみると砥泥の割に意外と変形が少ない気がする。

価格は普及品の人造中砥石としては高価な設定ですが、意外と減りにくいのかもしれない。

この箱書きにはないが、砥石の側面かどこかに1時間以上水に漬けっぱなしにしないで下さいというような説明がされていたように記憶している。
このような説明から、変質については一抹の不安もある。

実際に購入店で新品を試し研ぎをさせてもらった時には、全く水に漬けずに水をかけるだけで使用したが、研ぎ感はかなり重く強いツッパリ感があり、カタカタカタッと波打つように鉋の刃が暴れたりして、扱いにくい砥石だったが、持ち帰って平面を出して水に40分程漬けて使用すると、暴れることはなく少し重さはあるものの扱いやすくなっていた。

下りは『刃の黒幕』程ではないが、かなり良好で#1000としては細かい仕上がりである。

水に漬けた感じは気泡がブクブクという感じでもなく、時折砥石と砥石台の隙間からポコッと5o程度の気泡が出てくるぐらいである。
砥石としては水に浸けるなら浸けっぱなし、浸けないなら水をサッとかけるだけで使えるというどちらかが扱いやすく、その中間で浸ける時間を加減しなければならない砥石というのは使いにくい。

この砥石はというと中間の部類に当たるのだが、一度吸収した水をなかなか手放さないらしく、季節にもよるのだろうが2.・3日陰に置いておいたぐらいでは、まだしっとり砥石の中に水を含んでいる様子が砥石の色で見て取れる。
しょっちゅう或いは毎日の様に使う場合は水を含んでいるので、サッと水をかけるだけでもまずまず使用できるレベルにあるのではないかと思われる。



砥石の他に以下のようなドレッシング砥石が同梱されている。
万が一、砥石の下りなくなってきた時に砥石に摺りつけると下り易い砥面が復活するという趣旨の様である。

見た目はキングデラックスのような石ですが手触りも硬く、試しに研いでみると#600〜800ぐらいの粒度の様で、恐らくは#800に近いと思われる。

砥石を使った感じでは普通は必要はなさそうである。



刃物を研いだ時の研ぎ汁の画像

意外とグリーンの混じった泥気が強く出る割に感触は硬めに感じる。

刃の黒幕#1000と同様に水の吸水具合で硬さや研ぎ感の軽さに多少変化があるように思う。