ナニワ スーパー砥石 #10000


新品時 210(長さ)×70(幅)×20(厚み)



硬さ:15   下り:32   研ぎ感の軽さ:33(23)




しっかりと水に浸け込んで充分に吸水させてから使用するタイプ。
この砥石は非常に軟らかいので減りも速いのですが、値段も結構するので痛いところである。

平面精度についても微妙な所である。
この砥石の軟らかさというのは石という感じではなく硬質ゴム的感じで、元々貼り付いているイマイチなプラスチック台から外しただけで、研ぎ面の反り具合が変わるほどだ。

また吸水時の膨張率が高いのか乾燥時と吸水時の反り具合が違うのではないかという疑いも捨てきれない。

というのも私の場合、砥石の裏側をボンド付けしているので、研ぎ面側は膨張して伸びているが、裏側は膨張できないので研ぎ面側が中高になるのかもしれない。

何も貼り付けていない状態で均一に膨張するのであれば、反ったりの問題はないかもしれない。

ただ私の場合はこんな事情も踏まえて、使用時のしっかり吸水している状態を基準に研ぎ面を修正しています。

結局のところ、手で曲げるように力を加えながら小口から睨んでみると確かにしなりますので、特に薄くなってきた場合など、平面の上に置いて使えば問題ないですが、砥石の底面をどのように支持して使うかという事も、研ぎ中の平面維持のポイントになるかもしれません。

ここまで書くと、どんなに悪い砥石かと思いきや、人造砥石としては性能的には優秀で短所を補って余りある性能を発揮します。

研ぎ汁が出るまではやや砥石の摩擦抵抗が大きく重く感じられますが、研ぎ汁が出れば研ぎやすい軽さに感じます。
滑らかな研ぎ感でシャリシャリ感は殆ど感じません。

しなるというぐらいの石ですが、確かに弾力のある研ぎ感で、軟らかいので砥石は減りますが、この弾力が軟らかさのわりに砥石の減りを緩和し、同時に刃先にかかるストレスも緩和しているような気がします。
そのあたりが砥石だけがザクザク削れて研ぎ汁が極端な泥色になるという状態になっていない事に現れているのかもしれません。

しかも粒度に対しての下りも良く、研ぎあがりも優秀で下手な天然砥石なら敵いません。

ただし、刃先を少し起こして研いだり、力の入れすぎや丸く研げた刃物などの刃先を研ごうとすると、軟質なので刃物が砥石に刺さったりエグったりという事も、無きにしも非ずです。

個人的希望としては台を無くして厚みがほしいです。



刃物を研いだ時の研ぎ汁の画像


軟らかさのわりに研ぎ汁の泥色感が少ない。