某硬口砥石 #700


実寸 209(長さ)×77(幅)×25?(厚み)



硬さ:44   下り:15   研ぎ感の軽さ:23




しっかりと水に浸け込んで充分に吸水させてから使用するタイプ。

炉で焼いて製造されるタイプで焼き加減で普通は個体ごとに硬さに差があるはずであるが、検証はしていない。

名前を某硬口砥石#700としているが、ベスターの#700と同じ成分の硬口である。

画像の物は試験的に頂いた物で、現在は一部販売もしているようですが、某としたのはメーカーが『ベスター』ブランドとして商品化しているか分からないからである。

#700の砥石に期待する研磨力を犠牲にするほどの硬さに仕上がっているからで、 ちょっと硬くしたというような物ではなく、オリジナルのベスター#700から考えると別物のような締まり具合である。
色も密度が高いからかは分からないが、オリジナルより随分と濃くなっている。

寸法的にはシグマの硬口のように、長さで硬口の方が2〜3oぐらい短かく縮んでいるようにも思うが、サンプル数が少ないので実際の所は分からない。
また今までの経験上、元から砥石の型枠の大きさ自体も多少のバラつきがあるように思う。
厚みに関しては25o?としているが、新品時に計測するのを忘れてしまったからで、縮み率から考えても恐らく26oぐらいはあるのだと思う。

砥面は崩れにくいが砥面修正直後の目の立っている状態でないと目詰まりして、下りがあまり体感出来ない。
その辺りを充分理解した上でなければ、購入すべきではない砥石だと言える。
ニューケントの硬口と似たような方向性の砥石といえるかもしれない。

泥が無いと研ぎ感もやや重いが泥がある状態であればそれほど研ぎにくいという感触は無い。
その都度、目を立てて使用するか共名倉として別の砥石を擦り付けるなどして、その泥を利用して研ぐなどするのが妥当である。
普通のベスター#700を擦り付けるなどして出した泥を使用するのが、成分も同じというだけあって相性が良い気がした。

荒砥やオリジナルの#700などで形をある程度整えた後で、前述のように目詰まりの緩和を考慮した研ぎ方で、中砥に移行する前に更に精密に平面に切れ刃を矯正しておこうなどという用途には有効かもしれない。



刃物を研いだ時の研ぎ汁の画像



画像は一旦砥面修正後にある程度研いだ後に、目を立てず共名倉などによる泥も無しの画像。